爆サイ(bakusai.com)管理者
爆サイの管理者は公表されていませんが、AWSのサーバーを使っていることは分かります。そこで、AWSにサーバー契約者の開示仮処分をしたところ、虎ノ門にある会社が開示されました。ただ、この会社はクラウドサービスを提供している会社のようなので、爆サイ管理会社とは無関係と思います。
クラウドサービスを提供していることからして、虎ノ門にある上記の会社に開示請求すれば、開示されるのは爆サイのサーバー契約者と考えられます。爆サイにIP開示仮処分、削除仮処分をするなら、この会社(サーバー契約者)宛でよいのでしょう。
以前、爆サイのサーバー契約者に開示仮処分を申し立てたところ、スレッドごと削除されたことが数度あります。
2022/10/03 (注記)
上記の文章には、虎ノ門にある会社、爆サイのサーバー契約者、の2社が記載されていますが、削除仮処分をするとよいと思われるのは、後者のほうです。虎ノ門のほうの会社は運営会社とは無関係と思われますので、削除仮処分をしないようにしてください。
爆サイの削除請求(任意請求)
爆サイ(http://bakusai.com/)の記事の削除は,各スレッドの削除フォームから依頼します(http://bakusai.com/del/)。
スレッドの一番下にある「削除依頼」ボタンをクリックします
ログイン
削除請求にはログインが必要です。
初めてログインするときは、「新しいアカウントを作成」をクリックします。
すでにアカウントを登録してあるときは、情報を入力し「ログイン」ボタンをクリックします。
新しいアカウントの作成画面です。
ここで入力したメールアドレスは、削除請求の際、自動的に入力されます。
「新しいアカウントを作成」ボタンをクリックすると、確認のメールが届きます。
メール内で「メールアドレスの確認」ボタンをクリックすると、削除請求ができるようになります。
削除請求
削除依頼の情報を書いて送信します
送信防止措置依頼書
上記のオンラインからの手続で削除してもらえなかったときは、次に「送信防止措置依頼書」による方法を試します。「弁護士・法務関連の申告窓口」(https://bakusai.com/inq_pro/)から「送信防止措置」のほうを選ぶと、送信防止措置依頼書の送付先がメールで通知されます。
削除仮処分
法的措置(削除仮処分)が必要になるときは,上記のサーバー契約者を債務者にするものと考えられます。
削除仮処分の管轄は被害者の地元の裁判所にあるので、各地の裁判所で削除仮処分の申立ができますが、東京地裁以外でも同じ扱いなのかは不明です。
爆サイの発信者情報開示請求
爆サイにIPアドレスの開示請求をするには,「弁護士・法務関連の申告窓口」(https://bakusai.com/inq_pro/)から依頼します。この画面からIPアドレスの開示請求(保存請求)をすることで,任意開示を受けることができています。
保存請求をすると「トラスト」から連絡先が伝えられるので、そちらに発信者情報開示請求書を郵送する流れになっています。
IP開示仮処分
トラストからの回答は、現在2か月待ち(2か月以内)とアナウンスされています。これでは、プロバイダのログ保存期間に間に合わない可能性があり、IP開示仮処分も視野に入ってきます。
仮処分の債務者は、上記のサーバー契約会社で良いと思いますが、ゼロの状態から調査すると調査完了までに2か月以上はかかるため、トラストからの開示を待つのと変わらないかもしれません。直近で調査した件では、AWSの呼出しに一度失敗したため、合計3か月かかりました。
ただ、2021年11月からは、AWSの仮処分が日本法人相手でもよいかもしれないとの憶測が流れているため、もしそうなら、1か月~1か月半くらいで調査できるようになるかもしれません。
爆サイの投稿先URLと接続先IPアドレス
NTTドコモの発信者情報開示請求には「投稿先URL」「接続先URL」というものが必要となります。多くのサイトでは、ソースからformタグのactionを書き写せば何とかなるのですが、爆サイは特殊です。
たとえば「form action=”/thr_rp1/usp=a7c137b1149t8467290uq61001292/” method=”post”」のようになっており、このスレッドのケースでは、スレッドURLの「acode=7/ctgid=137/bid=1149/tid=8467290」に、aの値、cの値、bの値、tの値(スレッドNo.)が対応しています。そして、「uq」の次の数字は、画面を開くたびに変わります。そのため、事後的に、投稿者が投稿した際の投稿先URLを読み取ることは不可能です。
そこで、「bakusai.com係」に書面で問い合わせても「抽出できませんでした」という回答しか戻らず、多くの弁護士が発信者情報開示請求を断念してきました。
しかし2020/5ころの運用状況では、最初からドコモ用の「接続先URL」と、KDDI・ソフトバンク用の「接続先IPアドレス」を最初から回答書に書いてくれています。そのため、自分で調査したり、爆サイに接続先URLだけ開示請求したりする必要はありません。
もし、回答書に接続先URL等の記載がなく、あらためて開示請求しても「抽出できませんでした」という回答が戻ったら、運営会社に対する調査嘱託を検討するとよいでしょう。実際、この方法で接続先URLが開示されたケースがあります。
2021年1月の運用では、回答書に接続先URL、接続先IPアドレスは記載されていないようです。このサイトは、7月頃、接続先IPの変更がありましたので、そのころのIPアドレスは、今から疎明するのは難しいかもしれません。
2020/12の運用では、接続先IPアドレスの記載がありましたので、場合によるのかもしれません。
接続先IPアドレス
期間 | IPアドレス |
2020/7/13~2020/7/16 | 103.6.60.11 103.6.60.15 103.6.60.19 221.116.39.66 221.116.39.67 52.192.34.105 54.178.19.156 54.238.247.173 |
2020/7/17~2020/12/25 | 221.116.39.66 103.6.60.15 54.178.19.156 54.238.247.173 52.192.34.105 |
2020/12/1~2021/3/31 | 54.178.19.156 54.238.247.173 52.192.34.105 |
接続先ポート番号・接続元ポート番号
開示の回答書に、接続先ポートは「80」か「443」のいずれかですと書かれているものがありましたが、非SSL通信の接続先ポートは、どのサイトでも80、SSL通信の接続先ポートは、どのサイトでも443です。
発信者情報開示請求で必要になるポートは、接続先ポート(destination port)ではなく、接続元ポート(source port、ソースポート番号)なので、プロバイダに伝える際には、間違えないようにする必要があります。プロバイダによっては、明確に「ソースポート番号」と指定してくるところもあります。
他方、接続元ポート番号が開示されている例もありました。特に、IPv4 over IPv6で接続している場合は、ポート番号がないとプロバイダの検索ができないため、接続元ポート番号が開示されていないときは、開示して欲しいと追加で求めてみるとよいでしょう。
追加要求を拒まれたときは、裁判所の手続を検討することになります。開示仮処分が良いでしょう。
また、以前、エーゲート社に調査嘱託申立てしたところ接続先URLが開示されたことがあったので、開示訴訟の係属中なら調査嘱託、提訴前なら、訴え提起前の証拠保全で、フェイズ社(後述)にポート番号を開示請求する方法が考えられます。
この方法で問題となるのは、最高裁令和2年(許)10号の射程ですが、すでにIPアドレスを開示している以上、証言拒否権は放棄していると考えられるのではないでしょうか。
爆サイの管理者に関する従前の情報
爆サイの管理者は、長らく「爆サイドットコム係」としか公表されておらず、過去にはBRUNAシステム( http://bruna-system.com/ )であるとか、「今村秀喜」であるとか、さまざまな情報がありました。
しかし2020年2月、メディア各社が以下のように、爆サイ運営会社を報道しました。
インターネット広告会社「Aegate(エーゲート)」社長、(中略)同社はインターネット無料掲示板「爆サイ.com」を運営し、多額の広告収入を得ていた。
https://www.sankei.com/affairs/news/200220/afr2002200006-n1.html
この刑事事件は、2020/10/5に判決が出ています。
東京のインターネット広告業「Aegate(エーゲート)」社長、A被告(49)に東京地裁は5日、懲役1年、執行猶予3年(求刑懲役1年)の判決を言い渡した。同社はインターネット掲示板「爆サイ.com」を運営し
https://www.sankei.com/affairs/news/201005/afr2010050022-n1.html
2020年10月12日、エーゲートはフェイズ(法人番号:0110-01-071898)に社名変更しました(https://www.phase1.net/)。東京にはフェイズという法人が18社あるので、登記を取るなら法人番号で検索するのが早いと思います。
爆サイに削除請求や開示請求を送ると、「株式会社トラスト」「トラスト爆サイ.com係」と名乗る会社から回答が戻るようですが、よくある名前のため、法人登記がどこにあるのか判明していません。回答書には住所も記載されていますが、その場所に「トラスト」という名前の法人登記はありません。
ただ、トラスト社は、削除請求、開示請求に関する業務を委託されているだけのようにも見えます。
フェイズの説明、ほか
フェイズは、単なる広告代理店で、爆サイの運営会社ではないと説明しているようです。そうすると広告枠を売っているのは誰なのかが問題となります。
フェイズと同じフロアには、以下の3社+フェイズが同居しているそうです。したらば掲示板はエーゲートが購入したとの報道があったので、株式会社したらばは、したらば掲示板関連なのでしょう。
株式会社ジオンは、爆サイに広告を出している会社によると、2019年5月ころ爆サイの管理がエーゲートからジオンに移ったとのことですが、再伝聞なのでこの話の疎明はできません。
削除請求を扱っている弁護士のもとへは、株式会社ジオンから「弊社は掲示板サイト『爆サイ.com』のメディアレップとして広告枠を取り扱っております。」との営業メールが来ています。広告枠を買うと、爆サイの中に爆サイに対する削除請求の広告が出せるようです(私のところへは、まだ営業メールが来ていません)。
株式会社ミックスインターナショナルコミュニケーションズの詳細は不明です。登記によると、ジオンと社長が同じ人のようです。
- 株式会社したらば(法人番号:0110-01-138586)
- 株式会社ミックスインターナショナルコミュニケーションズ(法人番号:0104-01-086025)
- 株式会社ジオン(法人番号:0111-01-080282)
フェイズに対する仮処分
上記の報道記事を疎明資料にしてフェイズに対する仮処分をしても、東京地裁では取下げを求められるとの情報がありました。疎明資料として、報道では足りないという理由のようです。
もっとも、旧エーゲート社に削除仮処分を実施したところ、爆サイ.com係に転送され、削除してもらえたという話もあります。
なお、冒頭で書いている、爆サイのサーバー管理会社はフェイズではありませんでした。
- 2015/03/15 作成
- 2020/05/13 更新
- 2020/06/26~10/05 更新
- 2020/10/30 更新 接続先IPについて
- 2020/11/12 更新 エーゲートの社名変更
- 2020/12/25 更新 12月の運用を追加
- 2021/02/02 更新 1月の運用を追加
- 2021/02/25 更新
- 2021/03/04 削除請求用ログイン画面を追記
- 2021/03/10 3/16 03/23 更新
- 2021/03/30 更新 同居の4社の件と、ポート番号の開示請求
- 2021/08/04 更新
- 2021/10/23 サーバー契約者に関する情報を更新
- 2022/10/03 サーバー契約者に関する記載に注意を記載