意見照会とはどんな手続?

意見照会は、プロバイダ責任制限法に規定されている手続です。ネットで中傷された・プライバシーを侵害された等と考えた原告(債権者・請求者)がプロバイダに対して発信者情報開示請求をした際、プロバイダは発信者に対し、「あなたの情報を開示して良いですか?」と聞かねばならないことになっています。これが意見照会です。

開示関係役務提供者は、前項の規定による開示の請求を受けたときは、当該開示の請求に係る侵害情報の発信者と連絡することができない場合その他特別の事情がある場合を除き、開示するかどうかについて当該発信者の意見を聴かなければならない。

特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 4条2項

どんなタイミングで来る?

意見照会は、コンテンツプロバイダ(転職サイト、ヤフー知恵袋など、サイト側がメールアドレスを把握している場合のみ)に対し、IPアドレスの開示請求がなされた際や、インターネット接続プロバイダに対し、住所氏名の開示請求がなされた際に届きます。

タイミングとしては、訴訟であれば、提訴から1~2週間程度で届きます。テレコムサービス協会書式での開示請求であれば、開示請求書がプロバイダに届いてから数週間で届いているように見えます。

意見照会回答書には何を書けば良い?

自分の情報(IPアドレスや、住所氏名)を開示されたくない場合は、「開示拒否」に丸を付け、開示拒否の理由を具体的事実とともに記載してください。証拠がある場合は証拠も添付すべきです。単に「自分は書いていない」だけですと、訴訟手続になっている場合は、ほぼ効果がありません。
何も返事をせずに放置すると、プロバイダは「意見がなかった」ものとして扱い、あなたの情報を開示してしまうこともあります。訴訟になっている場合は、「照会したけれど意見がなかった」と裁判所に報告することになるため、裁判官としても、開示を認めるのに心理的抵抗が弱くなることでしょう。
プロバイダに転居を報告していないと、意見照会が届かず、結果として「意見がなかった」のと同様の効果が生じる可能性もありますので、意見照会が来そうであれば、プロバイダに登録されている住所が正しいか確認しておきましょう。

法律論として、それが名誉権侵害にあたらない(真実を書いている、意見論評の前提事実が真実である)、侮辱にあたらない、肖像権侵害にあたらない、という主張もしておきましょう。プロバイダの弁護士が、それを参考に主張を組み立ててくれます。

開示により不当な攻撃が予想される場合

自分の情報が開示されると、家に押しかけられてしまう、ネットで個人情報を晒されてしまう、中傷の対象にされてしまう、職場に通知されてしまうなど、不当な攻撃が予想される場合には、プロ責法4条1項2号の「開示を受けるべき正当な理由」が否定されます。

一般に「開示を受けるべき正当な理由」は、損害賠償請求したい、削除請求したい、などの目的があれば容易に認められていますが、上記のような不当な攻撃が予想される場合には、「正当な理由」が否定される可能性があります。
実際、東京地裁は、「開示を求めている発信者情報をみだりに用いて、不当に当該発信者の名誉又は生活の平穏を害する行為をする意図があると認められる場合には、発信者情報の開示を受けるべき正当な理由はないと解するのが相当である。」として、対象者の生活の平穏を害する可能性がある場合には、開示請求は認められないとしています(東京地判平25・4・19)(2013WLJPCA04198017)。

意見照会回答を弁護士に依頼できる?

弁護士は、意見照会回答書の作成業務も受任しています。また、投稿者の代わりに発信者情報開示請求訴訟を傍聴して訴訟の状況を確認したり、訴訟記録を閲覧して当事者の主張を確認するなどの業務も受任しています。お気軽にお問い合わせ下さい。

お見積もり

内容料金(税別)
意見照会回答書の作成(1回あたり)50,000円
発信者情報開示請求訴訟の裁判傍聴と記録閲覧(1回あたり)30,000円
原告との示談交渉100,000円より
  • 2020/05/09 作成
  • 2020/05/30 更新
  • 2020/07/01 更新
  • 2020/08/18 更新