Yahoo!知恵袋の削除・開示請求(2020版)

2020.05.16

サイト管理会社

Yahoo!知恵袋 – みんなの知恵共有サービス(http://chiebukuro.yahoo.co.jp/)について削除または発信者情報開示請求する相手は,ヤフー株式会社(本社:東京都千代田区紀尾井町1-3)です。

削除請求

違反報告

まず、削除したいQ&Aの画面で「違反報告」をクリックする方法があります。ただし、単に報告するだけであり、ヤフーが必ず対応するとも限りません。また、削除したかしないのかに関する返事もありません。

送信防止措置依頼書

次に、ヤフーに対して送信防止措置依頼書を送る方法があります。テレコムサービス協会書式の送信防止措置依頼書を郵送する方法です(プロバイダ責任制限法に関する申告を行う方へ)。
送付先は以下の宛先です。

〒102-8282
東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー
ヤフー株式会社 プロバイダ責任制限法関連申告受付係

https://about.yahoo.co.jp/common/provider/

削除仮処分

ヤフーは、「Yahoo!知恵袋」は「みんなの知恵共有サービス」であり、閲覧者は、そこに書かれている情報が必ず真実だとは思っていないか、真実かどうかを確認しながら読んでいるといった主張をします。そのため、Q&Aの削除には慎重です。
経験上,東京地方裁判所が出した削除仮処分決定に対して、ヤフーが保全異議(もう一度考え直して欲しいと地方裁判所に申し立てる手続)と、さらに保全抗告(削除すべきではないと、高等裁判所に申し立てる手続)をして、徹底的に争われたケースもあります。
ただし、裁判所が「削除せよ」と命じたものについて削除を拒むことはありませんので、権利侵害を理由に削除請求をしたいときは、裁判所の手続を使うのが良いと思います。

発信者情報開示請求

発信者情報開示請求書

削除請求と同じく、発信者情報開示請求でも、テレコムサービス協会書式の発信者情報開示請求書を郵送する方法があります。
もっとも上記と同じように、ヤフーはそう簡単にはIPアドレスを任意開示しませんので、最初から裁判所のIPアドレス開示仮処分の方法を使うのが良いと思います。

発信者情報開示仮処分

ヤフーは、発信者のIPアドレスだけでなく、省令4号記載の「ポート番号」まで持っているという、珍しいコンテンツプロバイダです。そのため、開示仮処分決定の発信者情報目録に「ポート番号」を書いておけば、開示を受けることができます。
もっとも、ポート番号により通信を特定してくれるプロバイダは少数派なので、実際には、あまり利用価値はありません。

省令4号のIPアドレスに関しては、「接続元」のIPアドレスだけでなく、「接続先」のIPアドレスも含むという解釈があり、東京地裁民事9部では、比較的、開示が認められやすいと考えています(認容例がいくつかあります)。
ただ、ヤフーの「接続先」IPアドレスは、状況によって10~20くらいの数があるらしく、また、ヤフー自身も記録を取っていないため、どのIPアドレスなのか特定できないそうです。
したがって、「接続元」IPアドレスは開示を受けるとしても、「接続先」IPアドレスは、開示決定が出ないということになります。

仮処分の流れ

申立て
裁判所に仮処分の申立てをします。ヤフーの本社所在地が東京なので、東京地裁で「削除・開示仮処分」を申し立てることができます。開示が必要なければ、東京以外の人は、地元の裁判所で削除仮処分の申立てができます。
債権者面接
申立てから数日後、東京地裁の場合は,申立人(債権者)の言い分を聞く手続があります。主張に不備があれば訂正などを求められます。
呼出
ヤフーを呼び出す手続です。1週間程度先に双方審尋期日が設定されます。
双方審尋出
同席のうえヤフーの反論を聞く手続です。1~2週間おきに主張と反論を何度か繰り返します。とても早ければ2週間程度です。
担保決定
裁判官が認容だと決めると、供託金(一般的には削除で30万円、開示で10万円)の指定があります。
発令
供託証明書を裁判所に持っていくと、決定書がもらえます。
  • 2015/03/16 作成
  • 2020/05/16 更新