- 2015/03/01 作成
- 2020/06/22 更新
削除・開示の請求先
ホスラブ(hostlove.com)の運営会社は公開されていないため,現在では,WHOISの過去の履歴をたどって法人名を調べ,法人検索するような方法でないと,裁判手続での管理会社の疎明・証明は難しいのだろうと思われます。
(サイト管理会社からは,従業員の安全のために,会社情報をネットに流通させないで欲しいとのことなので,この記事でも特定はしていません)
他方で,サーバー管理会社の疎明・証明は比較的容易です。まず,「hostlove.com」を正引きしてIPアドレスに変換し(①),WHOISにより管理会社を調べます(②)。そうすると「株式会社バリューコア」と表示されます。
サイト運営会社を仮処分の債務者にするとき
管理会社を相手に仮処分申立するときは,当事者目録の表記に注意が必要です。「登記記録上の住所」として,登記に記載された住所を記載のうえ,「送達先」として,実際の住所を記載します。
また,裁判所からは「送達遅らせ上申」を出すように指示されます。というのも,裁判所がホスラブの管理会社へ削除決定・開示決定を特別送達で送っても受領を拒否され,最終的に付郵便送達をするしかないためです。
その間に,事実上サイト管理者と交渉して削除・IP開示してもらう,という流れになります。
交渉が完了すれば,「送達遅らせ上申」の効果により,供託金の取り戻しは「権利行使催告」(取り戻しに3か月ほどかかる)ではなく「簡易取戻」(取り戻しが1か月以内)の方法が選べます。
サーバー会社を仮処分の債務者にするとき
サーバー会社(株式会社バリューコア)に開示仮処分をするときは,本社所在地を管轄する大阪地裁での申立てが必要です。
他方,削除仮処分は大阪地裁だけでなく,債権者の住所地を管轄する裁判所で申立てができます。
スケジュール感
サイト運営会社を相手に東京地裁で削除・IPアドレス開示仮処分をした場合のスケジュール感は,以下のようになります。
申立て | 東京地裁に仮処分申立をします |
▼ | 2~3日 |
債権者面接 | 債権者だけで裁判官と面接をします |
▼ | 1週間 |
第1回双方審尋期日 | ホスラブ管理会社を呼び出す期日ですが,実際には誰も出頭しないため(私の経験上は),この日に担保決定があります。 |
▼ | 数日 |
発令 | 通常どおり,供託証明を裁判所に入れると決定書がもらえます。 |
▼ | (すぐ) |
IP開示 | IPアドレスがサイト管理者より開示されます。 |
▼ | |
簡易取戻 | 供託金は,「簡易取戻」の手続により取り戻します。 |
ログ保存期間
ホスラブのログ保存期間は,かなり長いとの説明があります。数年単位と考えられます。
開示される発信者情報の種類
ip | 投稿に使用したIPアドレス |
port | 接続元ポート番号と考えられます |
uid | 投稿者が同じ場合は同じ値になると説明されています |
ua | ユーザーエージェントの文字列です。投稿に使用した機種名などが分かります |