当事者に対する住所、氏名等の秘匿(民事訴訟法)
(民事訴訟法133条~133条の4をプロ責法17条で読み替えたもの。読み替え部分は太字)
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第133条(申立人の住所、氏名等の秘匿)
1 申立て等をする者又はその法定代理人の住所、居所その他その通常所在する場所(以下この項及び次項において「住所等」という。)の全部又は一部が当事者又は利害関係参加人(非訟事件手続法(平成23年法律第51号)第21条第5項に規定する利害関係参加人をいう。第133条の4第1項、第2項及び第7項において同じ。)に知られることによって当該申立て等をする者又は当該法定代理人が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがあることにつき疎明があった場合には、裁判所は、申立てにより、決定で、住所等の全部又は一部を秘匿する旨の裁判をすることができる。申立て等をする者又はその法定代理人の氏名その他当該者を特定するに足りる事項(次項において「氏名等」という。)についても、同様とする。
2 前項の申立てをするときは、同項の申立て等をする者又はその法定代理人(以下この章において「秘匿対象者」という。)の住所等又は氏名等(次条第2項において「秘匿事項」という。)その他最高裁判所規則で定める事項を書面により届け出なければならない。
3 第1項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、当該申立てに係る秘匿対象者以外の者は、前項の規定による届出に係る書面(次条において「秘匿事項届出書面」という。)の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付の請求をすることができない。
4 第1項の申立てを却下した裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
5 裁判所は、秘匿対象者の住所又は氏名について第1項の決定(以下この章において「秘匿決定」という。)をする場合には、当該秘匿決定において、当該秘匿対象者の住所又は氏名に代わる事項を定めなければならない。この場合において、その事項を当該事件並びにその事件についての反訴、参加、強制執行、仮差押え及び仮処分に関する手続において記載したときは、この法律その他の法令の規定の適用については、当該秘匿対象者の住所又は氏名を記載したものとみなす。
第133条の2(秘匿決定があった場合における閲覧等の制限の特則)
1 秘匿決定があった場合には、秘匿事項届出書面の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付の請求をすることができる者を当該秘匿決定に係る秘匿対象者に限る。
2 前項の場合において、裁判所は、申立てにより、決定で、発信者情報開示命令事件(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律第2条第9号に規定する発信者情報開示命令事件をいう。第133条の4第1項及び第2項において同じ。)の記録中秘匿事項届出書面以外のものであって秘匿事項又は秘匿事項を推知することができる事項が記載され、又は記録された部分(次項において「秘匿事項記載部分」という。)の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製の請求をすることができる者を当該秘匿決定に係る秘匿対象者に限ることができる。
3 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、当該秘匿決定に係る秘匿対象者以外の者は、当該秘匿事項記載部分の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製の請求をすることができない。
4 第2項の申立てを却下した裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
第133条の3(送達をすべき場所等の調査嘱託があった場合における閲覧等の制限の特則)
裁判所は、当事者又はその法定代理人に対して送達をするため、その者の住所、居所その他送達をすべき場所についての調査を嘱託した場合において、当該嘱託に係る調査結果の報告が記載された書面が閲覧されることにより、当事者又はその法定代理人が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがあることが明らかであると認めるときは、決定で、当該書面及びこれに基づいてされた送達に関する第百九条の書面その他これに類する書面の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付の請求をすることができる者を当該当事者又は当該法定代理人に限ることができる。当事者又はその法定代理人を特定するため、その者の氏名その他当該者を特定するに足りる事項についての調査を嘱託した場合についても、同様とする。
第133条の4(秘匿決定の取消し等)
1 秘匿決定、第133条の2第2項の決定又は前条の決定(次項及び第7項において「秘匿決定等」という。)に係る者以外の当事者若しくは利害関係参加人又は利害関係を疎明した第三者は、発信者情報開示命令事件の記録の存する裁判所に対し、その要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、その決定の取消しの申立てをすることができる。
2 秘匿決定等に係る者以外の当事者又は利害関係参加人は、秘匿決定等がある場合であっても、自己の攻撃又は防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、発信者情報開示命令事件の記録の存する裁判所の許可を得て、第133条の2第1項若しくは第2項又は前条の規定により閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製の請求が制限される部分につきその請求をすることができる。
3 裁判所は、前項の規定による許可の申立てがあった場合において、その原因となる事実につき疎明があったときは、これを許可しなければならない。
4 裁判所は、第1項の取消し又は第2項の許可の裁判をするときは、次の各号に掲げる区分に従い、それぞれ当該各号に定める者の意見を聴かなければならない。
一 秘匿決定又は第133条の2第2項の決定に係る裁判をするとき 当該決定に係る秘匿対象者
二 前条の決定に係る裁判をするとき 当該決定に係る当事者又は法定代理人
5 第1項の取消しの申立てについての裁判及び第2項の許可の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
6 第1項の取消し及び第2項の許可の裁判は、確定しなければその効力を生じない。
7 第二項の許可の裁判があったときは、その許可の申立てに係る当事者若しくは利害関係参加人又はその法定代理人、訴訟代理人若しくは補佐人は、正当な理由なく、その許可により得られた情報を、当該手続の追行の目的以外の目的のために利用し、又は秘匿決定等に係る者以外の者に開示してはならない。
利害関係参加(非訟事件手続法)
第21条(利害関係参加)
1 裁判を受ける者となるべき者は、非訟事件の手続に参加することができる。
2 裁判を受ける者となるべき者以外の者であって、裁判の結果により直接の影響を受けるもの又は当事者となる資格を有するものは、裁判所の許可を得て、非訟事件の手続に参加することができる。
3 前条第二項の規定は、第一項の規定による参加の申出及び前項の規定による参加の許可の申立てについて準用する。
4 第一項の規定による参加の申出を却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
5 第一項又は第二項の規定により非訟事件の手続に参加した者(以下「利害関係参加人」という。)は、当事者がすることができる手続行為(非訟事件の申立ての取下げ及び変更並びに裁判に対する不服申立て及び裁判所書記官の処分に対する異議の取下げを除く。)をすることができる。ただし、裁判に対する不服申立て及び裁判所書記官の処分に対する異議の申立てについては、利害関係参加人が不服申立て又は異議の申立てに関するこの法律の他の規定又は他の法令の規定によりすることができる場合に限る。