経由プロバイダ

2015.03.30

発信者情報開示請求をする場合,訴訟の相手となるのが,「経由プロバイダ」です。 投稿者とインターネットとをつなぐ役割を担っています。

最近ではスマートフォンによる投稿が増えたためか,経由プロバイダとしては,NTTドコモ,KDDI(au),ソフトバンクモバイル,が開示訴訟の相手(被告)となるケースが増えています。
また,格安携帯の増加に伴い,上記の通信事業者から通信インフラを借りて通信事業をしている,MVNOが訴訟の相手となるケースも増えています。

経由プロバイダのログ保存期間は,3か月~6か月であることが多いため,このログ保存期間を経過した投稿については,発信者を特定できません。物理的に存在しなくなることから,警察の捜査でも特定できません。
そのため,投稿から3か月程度が経過しそうなときは,急いでIPアドレスの開示請求をする必要があります。

ここで,「ログ保存仮処分」をしておけば良いのでは?と思う人もいますが,IPアドレスを開示するまでは,どこのプロバイダが開示関係役務提供者なのか判明せず,ログ保存仮処分もできませんので注意が必要です。

なお,意見照会回答書に「開示拒否」と書けば経由プロバイダは開示しない,という誤解が広まっているようですが,正確ではありません。裁判所が開示せよと命じた場合は,ほぼ例外なく,経由プロバイダは住所氏名を開示しています。

  • 2020/5/12 更新