ヤフーに対する検索結果の削除請求訴訟(大阪高裁)

2015.02.18

大阪高裁平成27年2月18日判決

結論としては控訴棄却のようですが,この大阪高裁は,「忘れられる権利」「検索結果の削除請求」の問題に1つの回答を示しています。

検索結果の違法性

大阪高裁は,「本件検索結果に係るスニペット部分に記載された本件逮捕事実は,」「控訴人の社会的評価を低下させる事実であるから,本件検索結果に係るスニペット部分にある本件逮捕事実の表示は,原則として,控訴人の名誉を毀損するものであって違法であると評価される。」という表現で,スニペット(検索結果のうち,サイトの抜粋部分)が人格権侵害となるケースが存在することを認めています。

ただし本件では,違法性阻却事由があるとして,結果的に削除は認容されていません。これが,違法性阻却事由のない事案なら,グーグルやヤフーといった検索サイトに対し,検索結果の削除を求めることが可能,ということになります。

東京地決平成26年10月9日との共通性

上記大阪高判は,スニペット部分の記載内容に注目し,スニペットの違法性を論じている点で,グーグル本社に対する東京地決平成26年10月9日と考え方を共通にしているようです。

もっとも,本件は高裁+判決ですので,とても貴重な判断だと思われます。