ワンクリック詐欺

2015.05.17

アダルトサイト等へのリンクをクリックした途端,IPアドレス等の情報を表示して,会員登録完了,会員料を支払え,と表示するサイト。

IPアドレスだけでは個人特定できない

 ワンクリック詐欺では,IPアドレスを表示して個人特定したかのように表示されますが,IPアドレスだけで個人特定することはできません。プロバイダ責任制限法に基づき,発信者情報開示請求をする必要があります。
 しかし,ワンクリック詐欺のサイトでクリックすることは,同法の定める「特定電気通信」ではないため,プロバイダ責任制限法の適用がなく,ワンクリック詐欺業者は,IPアドレスから住所氏名の開示請求をすることができません。
 そのため,個人特定はできません。

契約不成立なので支払義務なし

 クリックした本人には,会員登録する意思がないため,契約は不成立です。(細かい注意書きなどのために)外形上成立しているように見える場合でも,民法95条の錯誤無効が主張できます。電子契約法3条も利用できます。
 そのため,会員料を支払う必要はありません。