ブラック企業と書かれたら削除できるのか，という問題からの定義です。

ブラック企業とは，サービス残業あたりまえ，休日出勤あたりまえ，しかし法律で規定された賃金は出ない，といった企業を指します。かつては，反社会勢力とつながりが強い企業，という意味で使われていたようですが，最近は，労働法規違反が常態化しており，就職が勧められない企業，という意味で使われています。

では，ブラック企業と書かれたら削除できるのでしょうか。

ブラック企業が，事実摘示なのか，意見論評なのかにより結論が別れます。
もし，何らかの事実を前提とした意見論評だとしたら，その人の主観に過ぎないことになり，削除は難しくなります。実際に，ブラック企業は「概念の外延が不明確」だとして，発信者情報開示を否定した東京高裁判決がいくつかあります。
しかし，それも今は昔。今では，ブラック企業と言えば就職を勧められない企業の代名詞。
事実の摘示であるとして，投稿の違法性を認め，削除，発信者情報開示を認めた例が最近では報告されています。